02●8ミリ超初心者のために CONTENTS
12▲8ミリフィルム
17▼8ミリカメラ
22◆8ミリ映写機
30■必需周辺機材
32★撮影用アイテム
35?撮影テクニック
42?タイトル/クレジット撮影
45?編集
48?録音
52●上映会の開き方?〜上映日まで〜
55▲上映会の開き方?〜上映当日〜
61▼自宅/産直/野外上映
63◆テレシネ/ブローアップ
67■コンテスト対策
70★ essay box01 関根式廃墟の撮り方(関根博之)
72? essay box02 青き零年に就いて(山田勇男)
74? essay box03 光へのたどり(石井秀人)
76? essay box04 屋台劇場事始め(吉雄孝紀)
79? essay box058ミリフィルムの膜面には美しい光の庭 がある(宮田靖子)
82●8?フィルムを「自家現像」する(末岡一郎)
86▲著作権・傾向と対策(三木淑生)
90▼自分でできる8ミリ機材メンテナンス(松井忍夫)
94◆スーパー8の海外現像
100■ショップ&ラボ等住所録
102★インターネット情報
8ミリ超初心者のために
1 必要なもの
8ミリ映画をつくるために最低限必要なものは、
? 8ミリカメラ
? 8ミリフィルム
? 8ミリ映写機
? 8ミリヴューワー(エディター)
? スプライサー
? スプライシングテープ
これだけでとりあえずは可能。フィルムとスプライシングテープは消耗品なので買うべし。あとは人から借りてもいい。
ではそれぞれについて、もうちょっと解説をしよう。
?8ミリカメラ
…シングル8用とスーパー8用の2種類ある。カメラのどこかに「Single8」「Super8」と表示されているはず。スーパー8用カメラの場合、本冊子の「フィルム」「スーパー8の海外現像」の項目をよく読んでから取り組んでもらいたい。
?8ミリフィルム
…シングル8の場合、店になくてもフジフィルムの商品なので、注文すれば入手できる。低感度(R25)と高感度(RT200)がある。R25は太陽光線のもとで、RT200は白熱電球のもとで使えば、見た目と同じ色合いが再現されるようにできている。何を撮るかにもよるが、まずはR25で、昼間に外で撮ることから始めることをオススメする。
現像に出す時、アフレコ仕上げを選択することをすすめる。サイレント仕上げにすると、あとで音声を入れたくなったときに苦労するので。
スーパー8は店頭にはないが、コダックの製品であることから、これも注文すれば入手は容易だ。4種類のフィルムがあって、コダクローム40(低感度カラー)エクタクロームVNF7240(高感度カラー)プラス-X(低感度白黒)トライ-X(高感度白黒)。
?8ミリ映写機
…骨董品や故障品でないかぎり、現像したフィルムはどの映写機にもかかるはず。
?8ミリヴューワー(エディター)
…手回しでフィルムを見るもの。編集の時に必要。
?スプライサー
…フィルムを切ったりつなげたりするもの。編集の時に必要。LPLの「ロールテープスプライサー」か「ステレオサウンドスプライサー」もしくはフジの「フジカスプライサデラックス」でないと、次のスプライシングテープの入手が困難になる。
?スプライシングテープ
…フィルムをつなげる接着テープ。これもカメラ店で注文すればいい。
カメラは操作に慣れるためにも買った方がいいだろう。新品はないので、中古カメラ店やリサイクルショップで捜そう。その際の注意事項は「カメラ」の項目を参照のこと。1万円から5万円ほど。高価なフジカZC1000は、重いし絞りの自動調節機能がないので初心者にはオススメできない。
映写機、ヴューワー、スプライサーについては、8ミリ経験者から借りて使えばいい。レンタル屋には、たぶん、ない。映写機は作品に音をつける予定なら、音声の録音再生機能のあるサウンド映写機を選ぶこと。
2 撮影
カメラにフィルムを入れよう。カメラ側面の蓋を開け、シングル8のフィルムカセットを装着する。カセットのフィルムが出ている部分を「ここ(フィルムゲート)へフィルムをはさむ」と書かれて手のイラストの指がしている部分にしっかりはさみ入れる。ちゃんと入れないと撮影しても何も写っていないので注意。
蓋を開けた時、内部がホコリやゴミで汚れていたら、掃除しよう。カメラ用品のブロアーやエアダストクリーナーを使うといい。息で吹き飛ばすのはなるべくやめよう。やわらかいハケで掃き出してもいいだろう。
ファインダーを覗いてみよう。四角い枠に区切られて撮影範囲が見えるはずだ。そのまわりに数字や記号などが見える。これがぼやけて見えるとすれば、あなたの目とファインダーがマッチしていないので「視度調節」という作業をする。ファインダーの覗く部分を回すか、そのそばに小さなレバーがあるはずなのでこれを動かす。数字や記号がぼやけずに見えればOK。
次にピントを合わせよう。8ミリカメラのほとんどはオートフォーカスではないので、ピントを合わせる必要がある。ふたつ、方法がある。
ひとつめは距離を目測してピントリングをその距離のところに合わせる。明るい昼間なら、そう厳密にしなくてもピントは合う。
ふたつめは、おおかたのカメラはファインダーを覗くと真ん中に丸い部分があって、それが上下に区切られている。被写体にズームアップして、縦の直線にあっている部分をこの丸の中に入れてみる。そうしてピントリングをぐりぐり回すと、上下の映像がズレるのがわかるだろう。ちゃんと直線につながって見えるところが正確なピントの位置になる。
絞りは初心者は自動調節でいいだろう。Z450の場合はEEロックのレバーがロックの側になっていないことを確かめよう。ZX550の場合は、EEロックのつまみが、押し込まれていることを確認しよう。
さあ、これでシャッターボタンを押せば撮影開始だ。
●おや、シャッターボタンが押せない
シャッターにロックがかかっている。解除しよう。
P300…シャッターボタンの外枠をひねってLからRに。
Z800…グリップ(手で握る部分)の軸にあるレバーをLからRに。
ZX550…シャッターボタン上のレバーをR方向にずらす。
ZC1000…側面のカウンター表示右のスイッチをLOCKからRUNに。
●押したのに動いてくれない
電池は入れた? あるいは1本だけ逆に入っているとか、中古品だったりすると電池の液漏れで接点が腐食していることがよくある。電池の入るところを覗き込んで、青く腐食しているようなら、細長いヤスリなどで腐食部分を削ってみよう。
あとはあちこち叩いてみる。ワタシの使用してるカメラもしょっちゅう動かなくなるが、カメラの特定の部分をひっぱたくと動くようになる。たいていのカメラはご老体なので、深く眠ってしまうことがあるようだ。
これでダメなら故障している。
●音はするけど本当にフィルムが送られているか不安
カメラ側面に透明の窓がある。見るとフィルムの巻き取り軸に白い点があるのが見える。これがシャッターを押した時に回っているなら、フィルムは送られているはずだ。
●現像したフィルムが、やたらと白っぽい(ハイキー)
あなたの使っているカメラは、C100P1P100P105P300NP300Z1Z2Z400AX100のうちのどれかでしょう。ならば水銀電池ホルダー(バッテリーアダプタホルダー)が必要です。2300円。新宿に出やすいならカメラのきむらにある。時間がかかってもいいなら近所のカメラ屋でも注文できるはず。くわしくはカメラの項目を。
上のどれにも該当しない場合は故障だろう。ファインダーを覗いて、シャッターを半分ぐらいまで押してあちこちカメラを振ってみる。ファインダー内で、指針あるいは数字がまるで動かない場合、故障と考えられる。
●現像したフィルムに何も写ってない。黒いだけ
カメラへのフィルムの入れかたが悪くて、はさまるべきところにフィルムがはさまっていなかった。
あるいはZで始まる型番のカメラの場合、シャッター開角度調整が閉じられていたことが考えられる。
Z800…フィルムを入れる側にあるダイアルで「C」が上にあると閉じているので、回して「0」を上にし、動かないように「L→」の矢印方向に、真ん中の銀色の部分をスライドさせる。
ZC1000…側面上部にあるレバーが右の「CLOSE」に行っていると思われるので、左の「OPEN」にする
あるいは絞り調整が手動になっていて、絞り切った状態になっているのかもしれない。絞りのロックを解除しよう。
Z800/ZX550…「EE−LOCK」の丸いつまみが引き出されていれば押し込む。
●やたらと写っているものがにじんで、ぼんやりしている
カメラのレンズか、映写機のレンズが内部でカビている。レンズの内部の掃除は上級者レベルでないと無理なので、頼むしかない。レンズ掃除は写真のカメラと共通するものなので、写真にくわしい知人か、信用できるカメラ店に相談するといい。ただし数万円の修理代がかかることは覚悟すべし。また「カビが白色ならまだ救いようがあるが、黒くなっているものはどうしようもない」と中古カメラ店の人が言っていた。
●現像したフィルムのピントが合っていない
フィートの表示をメーターと取り違えていないか。ピントリングはフィート単位とメーター単位のふたつで表示されているので、間違えないようにしよう。
メジャーを使って被写体までの距離を測る場合、カメラ側の計測始点は、レンズ面ではないことに注意。カメラ本体のどこかに、「φ」←こんなマークがある。これはフィルム面の位置をあらわしていて、ここから被写体までの距離を測るべし。
それでもダメなら故障ということだ。
3 映写
撮影した8ミリフィルムが現像を終えて戻って来た。さあ、映写してみよう。このドキドキ感はビデオでは味わえないものだ。
映写機とスクリーンあるいは白い紙(ツルツルしてないものが望ましい)を用意しよう。むろん白い壁に映写してもかまわない。
?映写機に電源コードを差し込み、電源コードをコンセントに接続する。
?映写機のリールを装着するアームを立てる(立てなくでもいい機種もあり、また送り側のみアームになっている機種もある)
?操作レバーを一段階ひねる。こうすると動き出すはず。巻き取りリール側が回転していない場合はベルト切れの疑いがある。→「映写機」項目の「ベルト切れの対処」を参照
?操作レバーをもう一段階ひねって「ランプ」にする。そうするとランプが点灯するはずだ。フジSD20などではランプのON/OFFスイッチが別になっているのでONにする。そうして映写された素通しの画面を見ながら、ピントつまみをぐりぐりしよう。画面の端にもじゃもじゃとホコリがたくさん見えるなら、フィルムに傷をつけるのを避けるため、映写機の掃除をしよう。→「上映会(当日)」の項目参照
ランプがつかなければ、ランプ切れの疑いがあるので、いったん消してランプを取り外して確認しよう。単にランプの接点部分がゆるんでいる可能性もあるので早合点しないように。なお、いったん点灯して切れた場合はランプ切れの可能性が高い。あせって取り出す時にやけどをしないように注意。また、映写機の内部をいじる時は感電しないように、電源コードを抜いておくこと。
?以上の確認が済んだら、操作レバーをOFFの位置に戻して、受取りリールと現像済みフィルムのリールを装着する。軸穴のまわりに3つの切れ込みがある。そこが映写機のリール受け軸の突起にはまるように差し込み、リールが抜けないように押さえのレバーを倒す。
?現像済みフィルムは、先頭に白っぽいフィルムが付いている。これをリーダーと言う。映写機の操作レバーを一段階ひねって、フィルムの挿入口の上にある「フィルム押さえ」を押し込み(これのついていない映写機もあるし、チノン映写機は自動的に押し込まれるので注意)、挿入口にリーダーを差し込む。この時、映写機の操作レバー側のふたを開き、フィルムが途中でひっかからずに送られているかを確認するといい。ひっかかる場合の対処はこのあと書く。
?巻き取りリールに側から出て来たリーダーが、きちんと巻き取りリールにからまったかを確認する。うまくからまなかったら、いったん止めて、手で巻き付けてやる。
さて、操作レバーをランプ点灯にして映写開始だ。映像がスクリーンに映っているだろう。まずはピントを合わせよう。これで問題がなければめでたし。
?映写が終了したら、フィルムの最後まで巻き取りリールに巻き取られることを確認して、作動を止める。
巻き戻しをしよう。フィルムの最後の部分を、送りのリールに巻き付ける。フィルムの最後の部分を、送りリールの軸の部分にある溝の中に差し込んで、手で回して巻き付ける。そうして映写機の操作レバーを逆の側に一段階ひねると巻き戻しが開始される。例外としてエルモGS1200があり、これはフィルム挿入口のところにあるレバーを手前に引っ張ることで巻き戻しが始まる。
?映写機はすぐに箱にしまったり、カバーをかけたりしないように。ランプが熱いままで箱に入れると、ランプの寿命を縮めることになる。安いものではないから、最低でも10分は放置してからしまおう。
●映写機の中でひっかかった!
ひっかかるとそこでフィルムがぐちゃぐちゃに折れ曲がって使い物にならなくなるので、すぐ映写機を止めよう。
一番多いのは、リーダーの先端部が内側か外側かにそっているケースだ。そこで先端部を10センチぐらい切ってしまおう。映写機のどこかに先端部が丸く切れるようなカッターが付属しているなら、それで切る。付属してない場合は、はさみでいいので、やや丸みを帯びるように切ればいい。
それでもひっかかるなら、まずスロー送りの機能がついている映写機なら、スロー送りでひっかかる部分の直前までフィルムを送り、ひっかかるポイントで、つまようじなどでフィルムをサポートしてあげる。
アパチャー(フィルムとランプからの光が交差する部分)の押さえが開きっぱなしになっているということも考えられる。そうならばランプ方向に押して閉じること。
●映写したら画面の上(または下)にその画面の下(あるいは上)の一部が映っている
フレーム合わせをすべし。映写機によって異なるが、たいていはピントつまみの近辺にフレーム合わせのための「つまみ」があるはず。FRAMEという表示になっているかもしれない。
●映写したらフィルムに傷が入ってしまった
映写機の内部でフィルムが送られている部分をすべて、カメラ用品のエアダストクリーナーで空気を吹き付けてきれいにする。さらにアパチャーゲートやサウンド映写機ならば録音再生ヘッドの部分を、綿棒に消毒用アルコールかフィルムクリーナー液をつけてていねいにこする。
●画面の上部に黒いゴミが見えるが、掃除しても取れない
上記映写の手順?をしてみよう。フィルムを映写した時に映るが、フィルムをかけないで映写した時には映らないゴミは、撮影した時にカメラ内部にあったゴミだ。これはフィルムに写り込んでいるので除去は不可能。カメラのふたを開け、フィルムがはさまる部分をペンライトなどで照らしてみると、レンズから送られてくる光を受けとる穴の部分にゴミが付着しているだろう。ブロアーかエアダストクリーナーで吹き飛ばそう。ブロアーとは、パコパコと握って空気を吹き出すもの。安いのでカメラバックに入れておこう。あるいは小さいサイズのエアダストクリーナーも売られているので、どちらかを。
●映写中にフィルムが流れた
編集の時にフィルムの接合がきちんとしていないか、パーフォレーション(フィルムの穴)が破損していると流れる。あわてず、まずはフィルムを入れる時に押す部分を再度押してみよう。エルモのGS1200やST180の場合は特殊で、ピントリングの下にある「ループ」というレバーを押す。
●巻き取りリールが最初は動くがやがて止まってしまう
映写機のモーターが弱ってきている。あまり長いフィルムはその映写機ではかけられないということだ。どうしてもという場合は、映写中に監視していて、止まりそうになったところから最後まで、手で補佐してやる。
●音量を調整する時、雷鳴のようなひどい音がする
ボリュームは劣化しやすい部品なのである程度はしかたがない。電源を入れる前に、ボリュームつまみを上げたり下げたりと何回かひねくり回してやるとノイズは軽減する。
●うちの映写機は上記の手順があてはまらないぞ
映写機は種類が多いのであてはまらずに困ってしまうケースもあるだろう。一発回答できるかどうかはわからないが、往復はがきで奥付の住所宛てに質問を送ってもらうか、Eメールで送信してもらいたい。できるだけの調査、回答はするつもりなので。
4 編集
どのヴューワーでも、まずリールを装着するアームを広げる。次に左にこれから見ようとしているフィルムの入ったリールを装着し、右に巻き取り用のリールを装着する。
電源コードをコンセントに差し込み、メインスイッチをONにする。するとランプが点灯する。
現像済みフィルムを、マイネッテ製のヴューワー以外はマグネ塗布面が下になるように巻き取りリールに取り付け、フィルムをランプハウスの下の部分にはさみ込む。巻き取りアームのクランク(取っ手)をゆっくりまわせば、画像が投射されてくるはずだ。
映写機のようにピントを調節し、またフレームがズレていればこれも調節する。
注意しなければいけないのは、あんまりヴューワーを多用しないことだ。見ればわかるように、ヴューワーは単純な機構をしている。フィルムを出し入れするので、ホコリやゴミが入りやすい。ということはフィルムに傷がつきやすい。
現像済みフィルムはなるべく映写機で見て、ヴューワーを通して見るのは編集のために微妙なポイントを探す作業にとどめたい。早送りや巻き戻しをヴューワーでする時も、フィルムをはずしておこなってもらいたい。
次はスプライシング。圧倒的多数の人がLPLの「ステレオサウンドスプライサー」を使うことだろう。これを目の前に置いた時、右に「Instruction」と書かれたところをひっぱると、使い方の手順が図解して示されている。
LPLの「ロールテープスプライサー」の場合を記述しよう。まず現像済みフィルムを、マグネを塗ってない方を上にして(サイレント仕上げの場合は、フィルムの最初の方が右になるように)乗せ、4つあるでっぱりにフィルムの穴をきちんとはまるようにする。「TAPE」「FILM」と2つの文字があるが、これをFILMの方に矢印が合うように台の下をスライドさせる。そうしてレバーを下ろせばフィルムは切断される。
切ったフィルムを接合する場合は、左右にフィルムを乗せ、矢印をTAPEにスライドさせる。次にロールテープをひっぱって、ロールテープに穿たれている2つの長方形の穴の上の方が、中ほど2つのでっぱりにひっかかるようにして、テープを乗せ、指で押して接着させる。そうしてレバーを下ろすとテープが切れている。手前の2つある金属のどちらでも押せば、でっぱりがひっこんで、フィルムが離れる。そうして、指でていねいに、まだテープが接着していない裏面にテープを接着させる。
この作業をする時、指の油分がフィルムにつかないように薄手の手袋をする人がいる。もっともなことだが、かえってホコリを招くような気がするので、ワタシは編集作業中はまるで強迫神経症のように、しょっちゅう手を石鹸で洗うようにして、素手で作業をしている。
5 録音
音声(セリフや音楽)をともなう映画をつくるには、
?現像する時に「アフレコ仕上げ」を指定し、磁気録音帯が塗布されたフィルムであること
?サウンド映写機があること
この2つが必要条件だ。
絶対条件とは言えない。すべての映写に作家か録音スタッフが立ち会えるなら、別の方法も考えられる。このことについては「録音」の項目で。
ここは初心者編なので、一般的な方法を解説するにとどめたい。
さて、アフレコ仕上げをした現像済みフィルムには、2つ磁気録音帯が塗布されている。太い方が第1トラック、穴の横にある細い方が第2トラックだ。
注意すべきは、サウンド映写機の古い機種には、この第1トラックだけにしか対応していないものがあるということだ。この映写機では、第2トラックに録音された音声の再生はできない。見分け方は、映写機のどこにも第1と第2の音声バランス調整つまみがないこと。
だが、ものは考えようで、自分で映画をつくって自分の作品だけを上映するなら第1トラック専用で問題はない。中古価格も第1トラック専用機は安い。ナレーションと音楽を重ねて入れたい時は簡単なミキサーを購入すればいい。これは買っても1万円もしない。
第1トラックだけを使うことには、もうひとつ利点がある。1と2の再生のバランスを調整する必要がないということだ。けっこうこのバランスが崩れている作品がある。第1トラックにセリフを入れ、第2トラックに音楽を入れたが、音楽の方の録音レベルが高すぎて、バランスを5対5で再生するとセリフが聞こえなくなってしまう、という作品がある。自分で上映するなら調整できるが、例えばコンテストに応募すると、審査上映の時にはバランス調整は無視される。肝心な部分のセリフが聞こえないと、作品のよさが伝わらないことになる。そんなわけで、第1トラックだけを使用することを個人的にはオススメしたい。
さて、録音。
編集してフィルムは長いリールにひとつにまとまっているとしたら、これを音の切れ目に合わせて解体する。さいわい、編集の直後だとすれば、そばに現像時についてくる50フィートの空リールと、白リーダーの余りがたくさんあるはずだ。これを使って音を録音しやすいまとまりごとに小分けしていく。この作業は面倒だろうが、結果的には効率がよくなるはず。
ナレーションを入れるには、画面を見ながらやりたい。しかし映写機はけっこう駆動音がする。映写機のそばでマイクを持って喋ると、その駆動音も録音されてしまうことになる。まあ、それも四畳半でつくっているような味わいだから気にすることはない。しかし気になる人はまず映写した映像をビデオに撮って、それを見ながらカセットテレコや録音できるMDにナレーションを入れればいい。音楽を入れる場合は映写機の「ライン入力」と、テレコやCDデッキやMDデッキの出力プラグをつなげばいい。
まずはNGフィルムを使って、ちゃんと自分の使っている機器と接続して使えるかどうか、きちんと録音されているかを調べよう。実際の作品にぶっつけ本番で録音して、試行錯誤が始まると、初公開の時にはフィルムが傷だらけという結果になりかねない。これは見苦しい。
6 初心者篇の最後に
できるだけわかりやすく書いたつもりだが、どうだったろうか。
わからないことは映写のところで書いたように、往復はがきかEメールで質問してもらいたい。
ホームページには、この冊子の読者からの重要だと思われる質問と回答を掲載する「8ミリ映画救援センター」をメインに設けているので、パソコンがあってインターネットに接続できる人は、まずそこを閲覧してもらいたい。この冊子に記述したことで、訂正や新情報があれば、そこで見れる。
またホームページでは代表的な8ミリカメラや映写機の取り扱い説明書を閲覧できるコーナーもつくっている。中古でカメラや映写機を買うと、取り扱い説明書がつていなくて、使い方のわからないことがあるだろう。そういう質問がこれまで8ミリ映画の上映会をやってきて、多数あった。ワタシもすべての機種に精通しているわけではないので、カメラや映写機の意味不明のボタンやレバーがどういう機能なのかを聞かれても困ることが多かった。そこで、自分の入手あるいは借りた機材の使用方法がわからない場合、まずはこの「8ミリ取説図書館」を覗いてみて欲しい。ドンピシャの機材の取説がなくても、同じメーカーのものならある程度は共通する部分があるので、解決する場合もあるだろう。
さて次のページからは、もうちょっと突っ込んだ記述をしていこう。
8ミリフィルム
●8ミリフィルムの種類
8ミリフィルムは大別すると3つの種類ある。ダブル8(レギュラー8とも言う)、スーパー8、シングル8の3つ。
?ダブル(レギュラー)8
これはスーパー8、シングル8よりも古い形式の8ミリフィルムで、これから8ミリ映画をつくろうという人は考慮する必要はない。ただ注意しなければならないのは、間違ってダブル8用のカメラを買ってしまうことがないように。カメラのフィルムを装填する蓋を開けると、中に小さなリールが入っているのがダブル8用カメラだ。フィルムの入手は可能だが、あとで後悔すること必至。映写機については、ダブル8専用というものは中古市場では見たことがないので大丈夫だろう。もうほとんど飾り物としての骨董品のレベル。
?スーパー8
コダック社が開発・製造している8ミリの形式。ただし日本コダックは製造、現像をやめてしまっているので、フィルムは輸入のものしかない。種類はコダクローム40(低感度カラー)、エクタクロームVNF7240(高感度カラー)、プラスX(低感度白黒)、トライX(高感度白黒)、ネガフィルムの200Tと500Tがある。現像についてはエクタクローム以外は海外に送るしかない。したがってシングル8の倍近く現像に関しての料金がかかってしまうが、仕上がって戻ってくるまでの時間はシングル8よりも早かったりする。このことは別項目をつくって解説しよう。
?シングル8
フジフィルムが製造、現像をおこなっている。種類はR25とRT200の2種類のみ。どちらもカラーで白黒フィルムはない。R25は低感度で太陽光線に色温度が合っている。RT200は高感度で白熱電球(厳密に言うと 300Wから 500Wあたりの写真用電球)に色温度が合っている。色温度というのはビデオにおけるホワイトバランスのようなものと考えてもらえばいい。ビデオと違って色温度の補正はフィルターでおこなう。
東京都内の大手カメラ店では店頭に置かれているが、なくても注文すれば全国どこでも入手は可能だろう。ヨドバシカメラやビックカメラのネット通販を利用すれば1万円以上の購入で送料が無料になる。地方在住の人は便利だろう。定価は税込みでR25が1638円、RT200が2016円だが、ヨドバシおよびビックカメラではR25が税込み1312円でRT200が1617円。約2割引きになってポイントもつく。
●シングル8の通常現像
どこのDPEから出しても現像はできるが、戻ってくるまでの期間と値段がいろいろだ。
現像値段の定価は税込み935円。アフレコ仕上げで1449円。
現像が上がってくるまでの期間は、都内でも「中10日ぐらい」、地方だと「現像が上がってきたら電話します」と言われる。現像はフジカラー調布現像所で、週一回、水曜日におこなわれているので、離れていればいるほど時間がかかる。逆に都内では月曜日に出せば翌週のはじめにはできている。
フィルムカセットの横の欄に○をつける方式で、マグネコーティング(磁気録音帯を塗布すること)をするかどうかを選択することになる。しないものは「サイレント仕上げ」、するものは「アフレコ仕上げ」と呼ばれる。○をつけないと「サイレント仕上げ」に分類される。
サイレント仕上げにしたものに、あとでマグネコーティングするサービスはしていないので、ビデオ作品の素材映像として使うような場合はともかく、8ミリフィルムのまま上映する作品をつくろうとしている人は「アフレコ仕上げ」にしておいたほうがいい。
●シングル8の自家現像
最近は自家現像という手段をとる作家もチラホラ見かけるようになってきた。本冊子でも末岡一郎氏に別項で自家現像の方法を書いてもらったので、そちらを参照されたい。
自家現像の長所は「昼に撮ったものをその夜に見れる」というスピードと、どんな発色になるかわからない意外性の効果狙いだろう。
欠点は、自家現像だからといって安上がりになるわけではないこと。それから当然ながら、失敗の可能性がつきまとうことだ。また、マグネコーティングができないので、後から音声を入れることができないということ。こうした点には注意されたい。
●シングル8の現像所持ち込み現像
調布のフジカラーサービスに直接、撮影済みフィルムを持っていけば、安くはならないが、現像仕上がりまでの時間が短縮される。現在、8ミリの現像は週一回、水曜日。アフレコ仕上げのマグネ塗布は金曜日に作業をしている。火曜日までに持ち込めば、サイレント仕上げもアフレコ仕上げも同じく金曜日の午後3時に仕上がる。
住所は東京都調布市柴崎1-67-1。電話は0424-81-8049。
京王線柴崎駅で降り、改札を出たら踏切を渡る。そのまま道なりに進んで甲州街道を渡ってなおも直進。電柱に「フジカラー↑」という表示がある。小さな商店街の理髪店と美容院の間を右折する。ここは見落としやすいので注意。そのまま進めばフジカラーサービスの裏口に出る。徒歩で7、8分ぐらい。写真ギャラリーへの階段を上がって建物内に入ったところに現像受付けがある。営業時間は午前9時から午後5時まで。土日祝は休みなのだが、おつりがないようにすれば、引き渡ししてくれる。
●スーパー8のフィルム入手と現像
海外へ現像を発注する方法については
別項を参照いただきたい。
ここではそれ以外のことを記述していく。
まずは欠点。大きく言って2つある。ひとつは、スーパー8フィルムは現在サイレントだけ。つまり磁気録音帯を塗り付けることで、8ミリのまま、音と映像がぴったり一致した映画がつくれないということだ。しかし近頃の自主製作映画に多くみられるように、仕上げはビデオないしDVDであって、映像のもと素材として8ミリを使用するならば関係ないわけだ。
欠点のもうひとつは前述したように、シングル8よりも現像に金がかかってしまうということ。しかし次に述べる長所をどう評価するかによっては、これも欠点にはならないだろう。
長所も公平に2つ述べよう。
ひとつはなんと言っても「コダクローム40」が使えることだ。「カラーフィルムには3種類ある。ネガフィルム、リヴァーサルフィルム、それからコダクロームだ」という言い種があるほどで、一部好みでないという人もいるが、鮮烈とも言えるほどの色の乗りは、他のフィルムでは引き出せないものがある。
もうひとつの長所は、使用できるカメラがじつに豊富であることだ。スーパー8の規格は、かつてはサクラ(現在のコニカ)やアグファなども参加していたため、海外製の8ミリカメラはすべてスーパー8である。シングル8の方がフジを中心にした70機種ぐらいしかカメラが存在しないのとは大違いで、映画作品をつくるのでなく、趣味としていろいろなカメラを使って楽しむ向きにはスーパー8で決まりだろう。
さてそれではフィルムの購入方法について。
ヨドバシカメラ新宿本店では店の棚に現行のスーパー8フィルム各種が置いてあり、コダクロームは1本1118円、エクタクロームは1207円。他のカメラ量販店でも店頭にて購入出来るところはあるが、エクタクロームについてはこのヨドバシカメラの価格が突出して安い。その一方で、白黒フィルムについては、コダック希望小売価格1890円のところ、ヨドバシではトライXが1890円、プラスXが1732円と割り引き率は低い。残念ながらネット通販のヨドバシドットコムではスーパー8は扱っていない。
ネット通販ではビックカメラの方ではコダクロームのみ取り扱っている。1万500円以上の購入は送料無料になるので、地方在住の人はここを利用するのが便利だろう。
もちろん天下のコダックの製品であるから、近所のカメラ屋さんで注文すれば届く。ちなみにワタシの家の近所のカメラ店では、納期は3〜4日と言われた。
注文するときの注意として、店員が我々がいったい何を求めているのかわからないということがある。特にエクタクロームに関しては、型番「VNF7240」で注文した方がいいようだ。
さて、エクタクロームについては国内で現像をしているところがある。
東京の練馬区江古田にある育映社(?03-3950-5251)へ。1本 1260円。郵送などでも受け付ける(料金は代引)ということなので、問い合わせてみること。所在地は東京都練馬区旭丘1-24-8。最寄りの駅は西武池袋線江古田駅もしくは都営大江戸線新江古田駅だ。
URL=www.ikueisha.co.jp
ところがこのエクタクローム7240は製造が終了するらしい。代替のカラー高感度フィルムが出るかどうかは、この冊子の現行の版を再編集している2004年8月の段階では決定していない。最新の情報はムエン通信サイトもしくはコダックのホームページ(当該のURLは巻末のインターネット情報に記載)をチェックしてもらいたい。
2004年前半はスーパー8関連で他にもいくつかの動きがあった。
ひとつは白黒フィルムの乳剤の刷新である。流通経路の関係で旧タイプと新タイプが混在している現状だが、ユーザーとして注意すべきは、プラスXの感度が変更になったということだろう。新タイプはタングステンでISO80、デイライトでISO100になっている。
もうひとつは従来からあるネガ8ミリフィルムに、もうひとつ高感度の製品が投入されたということだ。ネガ8ミリについては次ページに独立した項目をつくってあるので、そこを読んでもらいたい。
フィルムが改良され、選択肢が増えるのは喜ばしいことだが、カメラの方は昔ながらの感度で設定されているので、絞りをオートで撮った場合、適正値とはズレた値で撮影することになる。発色などをきちんとやりたい人は露光計を使わないといけないことになり、これは立派な「スーパー8の短所」になる。
●シングル8とスーパー8はつなげても大丈夫?
いちおう映写機にはかかる。だがシングル8とスーパー8はフィルムの厚さが異なるので、1本の作品のなかに混在させるとピントの位置がズレることになる。作者がかならず上映を自分でやって、その部分でピント調整を素早くできるというならOK。
ワタシの経験ではもうひとつ、音声のレベルも違うことに気づいた。磁気録音素材の質が異なるのだろう。これについても作者がついていて調節すればいい。
●フィルムの保管は冷蔵庫の中?
未開封の8ミリフィルムは冷蔵庫に入れる必要はない。直射日光が当たるような場所に置かなければいい。
では、途中まで撮って取り出したフィルムは? これは冷蔵庫に入れた方がいいのだが、フィルム専用ではない、野菜などの食品と同居しているような冷蔵庫ではまるで無意味だとプロの写真家は言う。結局は風通しのいい、暗い場所に置くのがいいだろう。乾燥材と一緒に袋に入れ、袋の切り口はていねいに折り曲げておくこと。
●期限切れフィルムは使えない?
期限が切れてもしばらくは大丈夫だが、発色はどんどん劣化していく。期限切れてから1年以内には使いたい。シングル8の場合、期限切れからさらに年月を経るにつれ、緑色に傾いていき、黒がしまらなくなってくる。回想シーンならいいかもしれない。
●8ミリにネガフィルムはないの?
コダックから200Tと500Tのふたつの製品が発売されている。
しかしこれはテレシネ(ビデオ化)して利用することが前提とされているので、16ミリや35ミリフィルムのように、ネガを編集してポジフィルムに焼きつけるというサービスはおこなわれてはいない。
200Tはタングステン光でISO200、500Tは同じくISO500。標準価格はともに2079円。コダック正規ルートでの現像は3675円と高い。しかしさらに高いと思うのはテレシネで、ヨコシネDIAがサービスをおこなっているが、1ロール7000円もするとのこと。
ここで「使えん!」と切り捨てるのは簡単だが、実験映画的な使い方を含めて、ここらへんはまだまだ発展の余地がありそうだ。
8ミリカメラ
入手方法
中古カメラ店、リサイクルショップ、フリーマーケットなどで探すしかない。
中古の8ミリカメラを多数揃えている店としては新宿東口の「カメラのきむら」と、新宿西口の「新宿中古カメラ市場」が有名。
8ミリの専門店としては「CINE VIS 8&16」などがある。
ネットオークション大手のヤフーオークションでは「8ミリ」なるジャンルまであるほどだが、作動が保証されていないという危険性を考慮のうえで利用したい。
個人的な意見では、どうしてもこのカメラがすぐに必要なのだという事情があるならともかく、カメラ探しは地道に歩いて探すのが王道だと思う。どういう場合でも安直はよくない。掘り出し物に出会ううれしさもあるだろうし、探して探して出会ったカメラには愛着が湧くものだ。カメラに愛着を感じていれば、カメラもちゃんと応えてくれていい映像が撮れるものだ。
リサイクルショップだと店側に8ミリカメラの知識がないので、買う側も注意が必要だ。そのために単3乾電池を4本もっていって、ちゃんと動くかどうかを確かめよう。
さらに明るいところで、カメラのレンズを覗き込んでみること。レンズがあからさまに白濁している場合は使えない。ちょっとぐらいの曇りはよくあることだし、それほどは画質に影響しないので神経質にならなくてもいいだろう。
もうひとつ、絞りの自動露出調整が動くかどうかも確かめよう。ここが故障している中古カメラは多い。電池を入れ、絞り調整がロック(固定)されていないことを確かめてからファインダーを覗き込み、シャッターを押して絞り調整が生きているかを確かめよう。カメラによってさまざまなのだが、たいていは数字が表示されたものが動くか、針が動いて数字のどこかを示す。とにかく動けば大丈夫ということにしよう。(註…絞り調整を水銀電池でおこなう機種がいくつかある。このことは2ページ後に)
8ミリカメラの種類
スーパー8用機についてはあまりにも種類が豊富なので割愛させてもらいたい。
シングル8機のみについて記述するが、基本は自分がやりたいことに適したカメラを使い込むこと。
そのためにはカメラひとつひとつについての詳細な使用レポートが求められるのだろうが、ここにうってつけなインターネットサイトがある。
「8mm Film Resouce Directry」
http://members8.tsukaeru.net
/muddy/index.html
ちゃんと日本語のサイトです。カメラのスペックだけ紹介しているのではなく、じっさいに使ってみた上でのレポートが掲載されている。目的と志向がはっきりしていれば、参考になるだろう。
シングル8用機のほとんどがフジ製であるが、例外的にキヤノン、エルモ、コニカも出していた。なかでもキヤノン518SVは銘機としてファンが多い機種だ。発色の9割ぐらいはフィルムが決めるが、残り1割はレンズの個性が反映される。キヤノン518SVはキヤノンレンズであるがゆえに、ちょっと他とは違った個性の発色をもたらしていて、それをこよなく愛するユーザーがいるというわけだ。
初心者は、ビデオでもそうだが、手軽に持ち運べる機種を選ぶのがいいだろう。まずは慣れることだ。慣れて、それから経験から学ぶこと。これはどんなジャンルでも言える基本。
おもなシングル8用機の機能一覧表を次ページに提示するが、大切なのは、いまの自分の技量に合った機種を選ぶということだ。上級機にいけばいくほど重くなる。
ズーム比は型番にあらわれているので理解しやすいだろう。ズームレバーを引いた時と、アップした時の差の倍率である。
撮影コマ数はそのカメラの機能の最も重要なところだろう。フジの8ミリカメラは型番を見ると、そのほとんどがPから始まるものとZから始まるものに分かれる。Pシリーズは初心者向けというコンセプトでつくられていて、機能があまりついていない。それでほとんどのPシリーズ機は18コマ固定なのだ。だがこれでは初心者といってもやがて不満が生ずるところだろうと思う。将来的に1コマ撮りやスローモーションも試してみたいと考えるなら、Zシリーズのどれかにするといい。
絞りの手動調整の項で△がついているのは、絞りをロック(固定)する機能しかついていないということ。ファインダーを覗いた時、明暗の差が極端にあるような場合、適正な明るさで撮りたい対象にズームアップし、そこでシャッターを半押しにして、それから絞りをロックすればいい。微妙な絞りの調整をするには面倒だが、逆に言えば露光計を使えるような人でない限り、手動で絞りを調整することはそうそうないだろう。
開放F値とは、言い換えればレンズの明るさのこと。数値が小さいほど暗い被写体が撮れる。表では、この数値が最も低いのが、いちばん構造が単純なAX100でF1.1、その他のカメラでもF1.8までとなっている。これは絞りにすると1絞り違うということ。ガラス1枚ほど隔てた明るさの違いが1絞りだから、たいした違いではないとも言えるだろう。
値段のめやすは「完動品でここまでなら許せないことはない」という私的限界の値段。一部に作動不良があるとすればこの半額までだ。Kは1000の意味なので、40Kなら4万円ということになる。一般のリサイクルショップなら、作動を保証していないぶん、もっと安く入手できるはずだ。フリーマーケットなどで値段が確定していない場合は、下記リストの半額で入手しよう。ただ繰り返すようだが作動チェックやレンズが濁っていないことの確認をすること。
●露光用電池が別に必要な機種
次のカメラは絞りの駆動を水銀電池でおこなっている。しかも、設計当初に使用されていた水銀電池は製造が中止されているのでなんらかの方法を使って現在も入手できる電池で代用しなければならない。
該当するのは、シングル8用カメラに限って調べると、フジのカメラが、P1 P100 P105 P300 NP300 C100 Z1 Z2 Z400 AX100。これとキヤノン518(518SVは不要なので注意!)。
絞りを手動で設定すればいいかというと、そうではない。P300などは絞りの手動設定はできない仕様になっているし、キヤノン518は露光用電池が入ってないと、そもそも手動で絞りを動かすことができないのだ。
本冊子では前の版まではアダプターの使用をオススメしていたが、自分でいくつかのカメラを使ってみた結果、もっとも乱暴だが安価な手段でじゅうぶんだと思うようになった。
使用するのは100円ショップで売っている(たまに2個セットもあり)LR44というボタン電池だ。2個をビニールテープなどでぐるぐる巻きにするなり、隙間に紙などを詰め物にして押し込むなりして、かつ、奥行きの足りないぶんを接点の金具を手前に折り曲げるなり、通電するものを敷くなりしてなんとかすればなんとかなる。
書いていて気恥ずかしくなるほど安直な方法だが、一度はめこんでしまえば最低でも1年はそのまま放置して大丈夫なものだから、これでいいではないかと思ったのだ。
カメラ量販店に出やすい環境にあるならば、「VARTA V625U・LR9」という輸入品の代用アルカリ電池で代用するというテもある。1個100円なので入手できるようならこちらの方がラク。
LR44にしろ、この代用アルカリ電池にしろ、電圧がかつての正規使用品の水銀電池とはちょっと異なる。なので一応、テスト撮影をして、露光がハイキー気味ならば、NDフィルターを使い、ローキー気味になるようなら、P系のカメラの場合、露光計測窓にセロテープを貼って調節を試みればいい。
さて、本冊子ではオススメの地位から脱落してしまったが、水銀電池アダプターの価格は2300円。メーカーは関東カメラサービス(?044-541-8111)型番はC100, AX100, キヤノン518についてはMR-9アダプターで、SR44もしくはLR44電池を1個使用する。その他のカメラはH-2Dアダプターで、SR44もしくはLR44電池を2個使用する。
新宿ならカメラのきむらで入手可能。近所のカメラ屋さんで「8ミリカメラ用のバッテリーアダプタホルダー」と言って注文すれば入手できるはず。
●フジカZC1000にできることを教えて
値段的にも別格なフジカZC1000。これはシングル8カメラとしては空前絶後(ここで絶後と言えてしまうとことが悲しい)の製品。絞り操作は手動だけなので、初心者には扱いが難しいだろう。
最大の特徴であり、ウリであったのがレンズ交換ができるということ。Cマウントのレンズが取り付け可能だ。しかし現実問題としては10倍ズームの標準レンズと、広角(ワイド)レンズとの交換になるだろう。スチールカメラ用レンズを流用するとすれば、超望遠レンズを使う場合ぐらいだろうか。
レンズ交換できる利点を生かすには、正規品の広角レンズが欲しいところ。しかし困ったことに、これが品薄ときている。ワタシが以前見かけた広角レンズには5万円の値がついていた。気長に探すしかないだろう。
他にはバルブクランクという器具を使った手動回し撮影ができ、バルブ撮影(シャッターを好きなだけの時間、開放できる)が可能だ。これはZ800でも同じ器具を使って可能。しかしこれまた品薄でほとんど中古市場には出ない。もともとは1500円ほどの単純な器具なのだが、あるところで1万5千円で売っていたと聞いてワタシは激怒した。これは100円ショップで売っている小筆を使って自作できる。くわしくは「撮影テクニック」のところに記述しておく。
さらに逆転撮影も可能だ。側面のカウンターで1コマ単位でフィルムの送りや戻しが表示されるので、精密にタイミングを合わせて多重撮影、マスキング合成撮影といった特殊撮影もできる。
さらに72コマ/秒のスローモーションができるのもZC1000だけだ。36コマ/秒と72コマ/秒の駆動は、通常の電池ホルダーから供給される電源とは別に、グリップ内に仕込んだ電池(単3を4個)からの電源供給が必要になるので注意。
絞りは手動だが、ファインダー内の右に指針が表示される。針が上にいくとハイキーで、下にいくとアンダーということ。ちょうど中ほどに針があるのがその画面での適正というわけだが、20年近くこのカメラを使っているワタシの経験では、針がゆっくり落ちるくらいを適正として使っている。ストンと落ちるのではなく、ゆっくりと落ちるあたり。やはり基本的に明るめに撮れるようにチューニングされているのだろう。
映写機
●8ミリ映写機の種類
?サイレント
?サウンド(1トラック専用)
?サウンド(1&2トラック使用可能)
以上の3種類と考えてもらってかまわないだろう。
注意すべきは1トラック専用機と、2トラックも使える映写機の区別だろうか。中古カメラ店の人でさえもここらへんのわかっていない人が多いので困る。基本的には1トラックと2トラックの再生バランスつまみがついているかどうかで判断できる。
また、細かいことなので第2版までは省いていたのだが、1&2トラックの録音と再生が可能な映写機であっても、「録音」のところで解説している「ステレオ録音」が可能であるとは限らない。エルモGS1200やフジSD25は、ステレオ録音と再生ができるのだが、その他多くの映写機では不可能ということだ。
●入手方法
8ミリ映写機に新品はない。8ミリカメラと同様に、中古カメラ店やリサイクルショップを探すしかない。
その際に注意するのは、ちゃんと作動するかどうかを調べることだ。傷がついてもかまわないような現像済みの8ミリフィルムを1ロール持っていって、それをテストフィルムとして映写してみればいい。サウンド(音声再生機能のついている)映写機に対応するために、テストフィルムには音があらかじめ録音されていることが望ましい。
ボリュームをいじるとバリバリッとノイズが盛大に出るだろうが、これは気にしない方がいい。ボリュームは経年変化する部品なので、つまみをひねる時に出るノイズぐらいは見逃そう。
映写機のモーターが弱っているというケースもある。音声を再生してみればわかる。遅くなる場合もあれば、早くなる場合もある。映写速度調整がついていて、それで調整できる範囲ならいいが、速度調整機能がついてないような映写機の場合は修理しなくてはならないので注意が必要だろう。
テストフィルムがきちんと映写できて、音声も正常に再生ができた。だからと言って油断してはならない。なにしろ、8ミリカメラと同じく、8ミリ映写機はどれもこれもが10年以上前の製品だからだ。すでにメーカーには修理を保証する法律的な義務はない。
とりあえず動く。値段的にも納得できて買ったとする。家に持ち帰ったら、まず録音ができるかどうかをチェックしよう。まあ、この部分も店でチェックしておきたい部分ではあるが、そこまでするべきかどうかは判断しかねるところ。どうしてもチェックしたい人はマイク持参で映写機探しをすることだ。
もうひとつ注意すべきことがある。8ミリ映写機できわめて多いのが、ベルト切れという事故だ。店ではちゃんと動いているので、購入して家でいじくっているうちに、ぱったりと動かなくなってしまう。これはベルト(モーターの回転を駆動部に伝える部分)が切れてしまったというケースがほとんどだ。ほとんどの8ミリ映写機のベルトはゴムでできている。たいていの中古映写機は長い年月にわたって使用されていないので、ベルトのゴムが劣化しているケースが多い。店では動いても、家に持ち帰って動かしているうちに寿命がきてしまうというわけだ。さあどうしよう。
●ベルト切れの対処
ベルトとは、映写機のモーターの回転を伝えるために入っているゴムベルトのこと。ゴムだから経年変化により、やがては切れる運命にある。映写機のトラブルで一番多いのはベルト切れだ。
まずは裏蓋のネジをはずして、映写機をカパッと開いてみよう。本当にベルトが切れているかどうかを確認しなくてはならないからだ。映写機によってはベルトが2本ある場合もある。そのどちらが切れているかも確認すること。また、映写機によっては内蔵スピーカーの線がつながっていることもあるので、乱暴に開かないこと。
この修復には3つの方法が考えられる。
方法1 メーカー純正品で対応
ベルトは消耗部品だとメーカーもわかっているので、アナログレコードプレイヤーのベルトと同様に、保証期間は過ぎていても、メーカーに在庫があるかもしれない。国産映写機メーカーに電話したところ、次のような回答を得た。
エルモ…在庫がないものはFPシリーズのモーターベルトやGS800の巻き取りベルト。だいたい500円から750円ぐらい。例外はGS1200で1440円。東京支社?03-3453-6471(港区三田3-7-16)エルモは本社が名古屋。札幌、仙台、大阪、広島、福岡に支店と営業所がある。
フジ…SHの7/8/9とSD20/25は共通のベルトなので在庫あり。他もそろえている。注意してほしいのはSH30で、アンプをはずさないとベルト交換ができない。値段は700円。東京フジサービスステーション?03-3436-1315(港区海岸1-9-15竹芝ビル10階)他にも札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡にサービスステーションがある。
サンキョー…日研テクノにこの業務は委託されていて、サウンド映写機は大丈夫。サイレント映写機は機種によって不可能なものがある。値段は600円だが、宅配便で送るので、代引手数料が1000円以上かかる。東京営業所に来てもらいたい。日研テクノ東京営業所?03-5410-0626(渋谷区千駄ヶ谷3-8-7)
チノン…在庫なし。
コパル…在庫なし。
方法2 ウレタンコードで自作する
そんな悠長なことをしていられないという人は、ベルトを自作してしまおう。コスト的にも、純正ベルトに比べて、自作ベルトなら 200円で済む。ワタシもおそるおそる2機種ほど試してみたが、今のところ何の問題も起きていない。
使用するのはウレタン製コードだ。東急ハンズでは工作素材売り場の「ゴムひも」のコーナーにある。オレンジ色で、直径4ミリのもの。メーカーはバンドー化学。品名はバンコード。地方在住の人はこのメーカーの卸会社(バンドー東販?03-3639-0811)で個人向けにも切り売りして発送してくれるということなので、問い合わせてみるといい。
作り方は、
?切れたベルトを映写機内部から出し、それと同じ長さにウレタンコードを切る。もとのベルトがボロボロになっていて長さが不明の時は、とりあえず長めに切って、映写機内に差し込んで少しテンションをかけて(引っ張りぎみにして)長さを決定する。
?切ったコードの一方を作業台(不燃で汚れていいものなら何でもOK)の上にセロテープなどで固定する。
?剃刀の刃をペンチではさみ、ガスコンロで赤くなるぐらい加熱する。
?切ったコードの固定していない方を親指で押さえて、固定した方の切り口にくっつけ、その隙間に熱した剃刀の刃を差し込み、ウレタンが溶解したらすばやく抜く。刃の熱の程度にもよるが、数秒ほどでOK。
?そのまま一晩、放置する。
以上で完成だ。一晩放置するのがコツ。早く修理したい気持ちがあるので、コードがくっついて輪になったらすぐさま映写機に装着したくなる。それは人情だが、ウレタンの内部が完全に冷えて強固になるまでに一晩かかる。ここはじっと我慢すること。
さて翌日、映写機に自作ベルトを装着して作動するかどうかを確かめる。ベルトが長すぎるとすべって回転が伝わらないし、短すぎるとハメ込むことができない。こうなったら仕方ないのでもう一度やるしかないだろう。また一晩待つ。
ライター、アイロン、ハンダごてで溶解させるというテもあるが、仕上がりがきれいなのは上記の方法だろう。また、長さをきっちり決められるという長所もある。これは地方のとある良心的な中古カメラショップで教えてもらった。感謝します。
方法3 Oリングを使用する
マルリングではなくオーリングという。
ゴムの丸い輪の専門的な呼び方なのだろう。
これはJIS規格によって多種多様な製品がつくられている。輪の直径で言えば5ミリ間隔で設定されているので、切れたベルトを持って行けば、それに合うようなOリングが見つかるだろう。残念ながら東急ハンズでは、小さいサイズのものしか置いていない。作っている会社あるいは工場に直接行くしかないようだ。
ひとつの値段は100円から200円ぐらい。
いくつか会社はあるが、ひとつだけ紹介しておくと、
江東化工?…?0489-56-5991(埼玉県三郷市高州2-426-7 )
ついでのように書いておくが、アナログレコードプレーヤーにおけるダイナミックドライブ方式と同様に、8ミリ映写機でもベルトを使わない機種がある。ムエン通信がいただいたベル&ハウエル495を開いてみたら、ベルトがないので驚いたのだった。
●さてお値段は?
サイレント映写機はタダで人から譲ってもらおう。個人所有のサイレント映写機は、まだまだ大量に死蔵されているはずだ。リサイクルショップやフリーマーケットで買ったとしても5000円ぐらいに値切りたい(商売のこともわかるがそう思う)。
サイレント映写機で注意したいのが映写ランプだ。せっかくゆずってもらったはいいが、ランプがもう製造されていないものだとすると、そのランプが切れたら終わりということになる。
サウンド映写機は、1トラック専用機が2万円から3万円、1&2トラック機が4万円から6万円ぐらい。もちろんカメラと同様に、リサイクルショップではもっと買い叩けるだろう。店頭になくても、映写機のようにスペースをとるものは倉庫で眠っている可能性もあるので、本気で探す時は店の人に聞いてみるといい。
さて、カメラにフジカZC1000という空前絶後の機種が存在するように、映写機にも別格的な機種がある。エルモGS1200とフジSD25である。これらは中古完動品で10万円以上する。
エルモGS1200は映写ランプが 200Wと明るいので、上映会に適している。メカも比較的頑丈だ。ただ、この24V 200Wの適正映写ランプが、最近製造中止になってしまった。しかしこの場合に限っては16ミリ映写機に使われているランプ(型番はELCかEJL)で代用が可能。ELCの方が入手は簡単(つまり在庫が常にある)だというフィリップスの話だが、これは 250Wと50Wオーバーしている。しかしワタシの使用しているGS1200にELCを入れてしばらく使ってみたが、これといった問題は起きていない。たぶん大丈夫。
エルモGS1200には、受注生産品でクセノンランプのものも存在した。これは超貴重品。クセノンランプは映画館の映写機で使われているもので、他の8ミリ映写機で使われているハロゲンランプよりもはるかに明るい。もし中古ショップに出ているとしたら、ハロゲンランプのエルモGS1200よりも安いはずだ。なぜならもうクセノンランプの取り換えはできないと思われているからだ。しかし、やれないことはないという情報も当方に入ってきている。もしクセノンランプのエルモGS1200を見つけたら、この冊子の奥付まで連絡を。
フジSD25は録音にすぐれている。走行スピードの安定性、コマ単位で録音のオンとオフを指定できる機能など、これまた「空前絶後」の映写機だと言ってもいいだろう。ひとつ前のフジSD20も、中古で10万円ぐらいの機種だ。ワタシはこれまでいろいろな映写機を使ってきたが、フジの映写機は総じて録音性能にすぐれていると感じる。
●映写ランプについて
現在はフィリップスおよび富士電球工業から出ている。価格は3000円から5000円。両方から出ているランプの場合、富士電球の方が安価。しかし、大手カメラ店などでは、フィリップス製品しか置いてないようだ。
首都圏在住の人ならば、秋葉原にある光東電気がオススメ。ヨドバシなどより2割ぐらい安く買えるし、富士電球の製品も揃っている。お店の場所はJR秋葉原と営団地下鉄末広町の間ぐらい、どちらの駅からも近く、中央通りに面している。
「光東電気」東京都千代田区外神田4-5-1
電話 03-3255-3741
定休日は日曜と祭日。営業時間は、月から金が10:00~18:30、土が18:00まで。
近所のカメラ屋さんで注文する時は、型番を指定しないといけない。ヴォルトとワットだけでは混乱するおそれがある。映写機とそれにマッチしているランプの型番をリスト表示することにしよう。
型番 V/W 映写機
EFP 12/100 エルモK100SM
SC18
ST600/600D/180/800
GS800
フジカSD12
SH6/8/9/7M
フジックスシリーズ
MX50
M45
チノン6500/6600/7200/8000D
CP330/350
コパルCP70/77/301/501/505/515/525
サンキョーS600/650/700
ミノルタ6000/7700
リコー1200S/1200M
レイノックス3000
デュアラックス1000/2000H
東映パーフェクト8
ヤシカSPC-N/P810
ベルハウエル495/498
オイミッヒHQS
ボレックスSM80
オルチェデュオ
ノリスの全機種
EFR 15/150 エルモST1200/1200HD
フジカSD20/25
チノン8500/9000/9500
SS1200
サンキョーS850T
OMS880ST
EJM 21/150 エルモSPシリーズ
GPシリーズ
DNF 21/150 フジカSH10/30
MX70
MG90
キャノンT1
東映スーパーD2
ESC 24/200 エルモGS1200
(製造中止…ELCかEJLで代用可能)
EFM 8/50 フジカSH5
M25DX
チノン6000
コパルCP55/66
トリオスコープH
レイノックス2000/707TC
FP−GT 8/50 フジカM15/17/27/35
ミノルタオートデュアル
キャノンS400/ビジョン8
シネスターP8/400
さきほど述べたように8ミリ映写機ではエルモGS1200のみに対応するESCは製造中止になった。そんなふうに、対応する機種が少なければ少ないほど製造中止の可能性は高くなる。
映写ランプというのは寿命がある製品ながら、製造中止されてもデッドストックがある場合もある。とくにこだわりのある映写機の場合、インターネット情報のところの「8ミリメタディレクトリー」から始めて、リンクをたどっていくと、見つかることがある。簡単にあきらめてはいけない。
●リールのサイズ問題
映写機によって装着できるリールの限界というものがある。1時間を超えるような作品をつくろうとしている人には注意が必要だ。そんな長い作品はつくらないという人は以下の部分は読み飛ばしてもらってかまわない。
サイレント映写機は 400フィートリールが限界のものが多い。 400フィートという表記はフィルムの厚いスーパー8を基準にしているので、シングル8の場合は37分ぐらいになるだろう。
サウンド映写機の普及型は 600フィートリールが標準だ。これはシングル8をぎりぎりまで巻いてみたところ、56分まで巻けた。後の項目でも触れるが、現在日本で売られているリールは 600フィートまでだ。それ以上の 800フィートや1200フィートのリールは輸入品を買うか、自作するしかない。リールの自作については「周辺機材」のリールの項で書く。
前述のエルモGS1200、フジSD25およびSD20は1200フィートまでかけることができる。またエルモGS800やサンキョーOMS-850Tなどは 800フィートまでに対応している。
このような映写機がない、かつ、1時間以上の作品になってしまった時、上映の時にどうすればいいか。映写機を2台用意して切り換える。あるいは開き直って、リールチェンジの時間をいただくしかないだろう。
●映写機の掃除のしかた
「上映会(当日)」の項目を参照。
●音声選択の「光学」もしくは「OPT」とは何?
無視してかまわない。8ミリ映画をつくる上では、音声は「磁気」もしくは「MGN」で固定だ。
光学録音は個人レベルでは不可能と断定してかまわないだろう。これはビデオがなかった時代に8ミリフィルムによる映像ソフトが売られていて、そういうものは大量生産しなくてはいけないので、光学録音されていたということ。映写機としてもそのフォーマットに対応しなくてはいけないので、このような音声再生の設定があるわけ。したがって、8ミリ映像ソフトを入手したぞ、という場合のみ、この切り替えつまみを光学(OPT)の方にして映写すること。
●音声再生の方式で「パルス録音」というのがあると聞いたけど何?
これはオープンリールテープやカセットテープの1トラックに、同期信号を入れて、残りのトラックに音声を入れる方式のこと。確かにフィルムに塗布された磁気録音帯から再生するより音質ははるかにいいが、現在はハードディスクレコーダーというものがあるので、これを使ってシンクロさせながら再生する方がよりいい音が得られるだろう。このことは「録音」の項目を参照されたい。
●東急ハンズで売っているOリングがベルトになる映写機
東急ハンズで売ってるOリングと、ムエン通信所有の映写機とのマッチングを調べてみた。マッチしたものは以下の機種。
フジSH9/SD20…「Oリング1A P-50」で代用が可能。1つ120円。素材売り場のゴムベルトのならびにある。ベルトの装着はちょっと面倒なので慎重に。
チノン7200…「Oリング1A-P60」で代用が可能。1つ120円。装着は簡単。
サンキョーOMS-650…「Oリング1A P-50」で回ったが、内径55ミリぐらいが適当なサイズだろう。装着はじつに簡単。
●フィルムが流れた時にすること
基本的には映写機を止めるべきだが、その前に試みてみたいのが、フィルムのたるみの修正だ。これも各社各機種マチマチな方法なので、所有のサウンド映写機について、確認してみた。
フジSD20/SH9…フィルム挿入時に押し込む部分を押す。
チノン9500/7200…フィルム挿入口上部にある、四角い突起物を押す。
エルモGS1200/ST180…ピントつまみ下の「ループ」レバーを動かす。
サンキョーOMS-850T/OMS-650…フィルム挿入時に押す、黄色い部分を押す、
コパル515…フィルム挿入時に押す、オレンジ色の部分を押す。
ベル&ハウエル495…フィルム挿入時に、挿入口下のレバーを下方向に押すが、そこを再度押す。